ここから先は頭の中を忠実に再現。だらだらと長いが勘弁願いたい。
焦った。エンジンが掛からなければ、バイクを押していかなければならない。
しかし、舗装道路ならまだしもガタガタの林道の上り坂だ。不可能だ。
携帯は。。。。当然 「
圏外」。
こんな場所まで誰も来はしない。
そもそも通行止めのゲートを潜り抜けて入ってきたのだ。全てが自己責任。
車だって来ない。途中がけ崩れしていたし、入ってくる事も出来ないのだ。
遭難した。
とりあえず、助けを求めに行こう。
電波の届くところまで行けば、どこかに連絡する事もできる。
最悪レッド○ロンに電話してバイクも引き取りに来て貰えるかもしれない。
いったん、らくだくんを置き去りにする事にした。らくだくん待ってろよ!
スタンドの下に石をかませ、倒れ難いようにして、携帯電話を握り締める。
9時27分。下って来た坂を上り始める。
太陽が容赦なく体に照りつける。
4度の転倒で腰が痛い(T^T)
左足の弁慶が歩くたびにうずく。
足元はゴロゴロの石で歩きにくい。
もはや、景色を楽しむ余裕は無い。必死だ。
もと来た道を歩いていれば、ひょっとしたらすれ違ったオフローダーが
戻ってきてくれるかもしれない。
途中に停めてあった四駆まで行けば、誰か戻ってきてるかもしれない。
そんな事を考えながら、ひたすら上り坂を登った。
右足首をくじいた(T^T)何なんだ、この道は!!歩きにくいじゃないか!!
愚痴ってみたって仕方がない。それを好んで走ってきたのだから。
一人で「おーい!!」って叫んでみる。
無理。
腕がひりひりして痛い。
下り坂に入る分岐までようやく登ってきて、せめて財布ぐらい持って
くれば良かったと気がついた。

万が一、バイクを迎えにこれなかった場合、全部置き去りにするのか?
免許証やらクレジットカードやら、せめて財布はもって来るべきだった。
今更、戻る元気も無い。
足を引きずりながらとぼとぼと歩いた。
時折、崖のほうから鹿が顔を出し、ビックリして逃げていく。
「逃げるなら、乗せていってくれ。。。。」
鹿にも助けを求めたが、冷たいものだ。。。シカたない。。笑えない。
暑くて頭が朦朧としてきた。荷物に積んでた水ぐらい持ってくれば
良かった。
今となってはアフターフェスティバルだ。踊る余裕も無いが。。。
第一、こんな所で一人で踊ってたって面白くもなんとも無い(;´∀`)
せめてもの望みは、まだ午前中だということだ。このまま歩き続ければ
昼までには護摩壇山スカイタワーまで戻る事ができるだろう。
そうすれば何かしら手が打てるはずだ。やっぱり早起きは3文の得だ。
3文の為に、なんぼ無駄にするんだ。。。
思考回路が訳わからない。。。とにかく早く、スカイタワーに戻りたかった。
何とか、コンクリの道路が見える分岐まで来た。30分以上歩いた。

ココを通った1時間半前に戻りたい。
此処からしばらくは木々が影を作ってくれて歩きやすかった。
しかし、それもすぐに終わった。
山の向こうにうねっている道が見える。あんな所から来たっけ?
そこまで歩くと、まだ先に見えていなかった道が続く。。。
とりあえず、とりあえず、四駆のところまで戻ろう。
ひたすら歩き続ける。足痛い。こりゃ、明日は会社休むしかないな。
休もう休もう。
バイクはどうやって引き取りに来ればいいのかな。
レッカー持ってきてもらっても100キロ以上あるからお金かかるな。
がけ崩れしてたから、入って来れないな。猪笹林道から行けるかな?
最悪、ヘリコプターで釣り上げてもらうかな。お金かかるな。
ヘリコプターとバイク買いなおすのとどっちがいいかな?
でも、たぶんこのまま帰ったらバイク買ってくれないよな。
とりあえず、明日は会社休もう。そうしよう。ヤレヤレ ┐(´ー`)┌ マイッタネ
このまま戻れなかったらどうしようかな。バイクまで戻ってテント張るか。
クマ注意って看板あったな。クマ出るのかな?死んだ振りするのか?
まあ、死にそうだから迫真の演技が出来るかな?
つまらない事を考えながら、がけ崩れのポイントまでやってきた。
相変わらず、バイクがやってくる気配が無い。
歩き続ける。
戻りたくないと思って乗り越えたがけ崩れを歩いて戻るとは思わなかった。
ひたすら歩いて、何とか四駆の停まっている場所までやってきた。
車を除く。。。。誰も居ない。
このまま待つべきか?先へ進むべきか?
両足がかなり限界だ。汗が顔を伝って足元へ落ちる。
日陰を見つけて少し休憩する。もう1時間以上歩いた。
しかし休憩する時間がもったいなくなって立ち上がる。立ち眩み。。(T^T)
「誰かがここを通りましたよ」という印にバンダナを四駆のサイドミラー
に掛けておいた。気がついて走ってきてくれれば良いな。。。
ふらふらと歩く。
時折、バイクの音が遠くから聞こえてくる。
だが、こっちへ向かってくる音ではない。
遠く龍神スカイラインを走るバイクの音がこだましているのだ。

ここまで戻ってきた。
結構戻ってきたぞ。あと、1時間ぐらいでスカイタワーまで行けるかな?
少し元気を取り戻した。
歩き続ける事、約1時間半。ようやく林道を封鎖しているゲートが見えた。
「おおっ。。もうすぐだ。。。。」
っと、そこへ1台のオフロードに乗ったバイク乗りが走ってくる。。
ゲートの脇をすり抜けてこっちへやってくる!!
へなへなと、腰から崩れ落ちた。。。。「よかった。。。ε-(´∀`*)ホッ」
ハレ「すいません。。。」
男性「どうしたんですか?」
ハレ「林道の先で、バイクのエンジンが掛からなくて。。。」
男性「この先ですか?」
ハレ「だいぶ先です、1時間半ぐらい歩いて戻ってきたので。」
男性「それはだいぶ先ですね。」
ハレ「何とかなりませんかね?」
男性「バイク、全然動かないんですか?キルスイッチが入ってるとか?」
ハレ「( ̄□ ̄;)!! それには気が付きませんでした。」
「とりあえず、気が動転して確認せずに歩いて戻ってきました。」
男性「そうですか、どうしましょうか。。。」
「タワーまで戻ったら、トランポで来てた人もいたので相談しますか」
ハレ「お願いします。」
男性「じゃあ、後ろに乗ってください。」
ハレ「すいません。。。」
セローに乗った男性の後ろに乗せてもらい、二人乗りで林道を戻り始める。
男性「だいぶ先で止まったんですか?」
ハレ「1時間ぐらい走った先です。」
男性「道が分かれてるから、わからないですね。右に行きました?」
ハレ「いえ、左にずっと行ったんですが。。。」
男性「先に一度見に行ってもいいのですが、場所が解らないですから。」
ハレ「レッカー呼べませんかね?」
男性「100キロ以上あるから大変ですよ。時間もかかりますし。」
ハレ「じゃあ、一度一緒にバイクまで戻ってもらえませんか?」
「どの道、荷物置き去りですし、もしかしたらエンジン掛かるかも。」
男性「そうですね、二人なら押しがけもできますし。」
スカイタワーを目指していた二人はUターンして、林道の先を目指す事に。
ゲートを再度くぐりなおし、二人乗りで林道をトコトコ走る。
非常に恐縮した。何度も「すいません。」を繰り返すばかりだった。
せっかくの休日に林道を走りに来たというのに、
見も知らずの人間を後ろに乗せて走って頂いたのだ。
大阪から来られたこの男性(Fさん)はジェベルと同系のDRに乗って
おられたそう。林道を走るにはという事で足つきの良いセローに乗り換え。
足つきの良いセローだから林道でも二人乗りができると。
でも、林道を二人乗りで走るのは初めてだと。当たり前ですね(;´∀`)
廃車両の横を通り過ぎ、一つ目の分岐を左へ「右は行き止まりでした。」
しばらく進むと相変わらず同じ位置に四駆が止まっている。
バンダナを回収。
この辺りから路面が荒れているのでゆっくりと進む。
ゴフッ!!前に出していた右足の親指の付け根に道路脇の岩が当たった。
靴底に当たったにもかかわらず、結構痛い(T^T)
Fさん「大丈夫ですか?」
ハレ「だっ、大丈夫です(T^T)」
しかし、靴の中で足の裏が見る見る腫れていくのがわかった。
なんか痛くないんだけど、違和感がある?足に肉球が出来た( ̄□ ̄;)!!
がけ崩れの地点も二人乗りのまま難なく突破。さすがである。
しばらく進んで、コンクリの道路が右へ続く分岐まで来た。
Fさん「この道を右へ行くと、R425へ出ますよ。」
ハレ「やっぱりそうなんですか、ここを左へ行きました。」
Fさん「左は行った事ないですね。」
ハレ「誰も来た形跡がありませんでしたよ。」
Fさん「そりゃそうでしょう。」
バイクを左へ進める。トコトコと走り、次の分岐まで来た。
ハレ「ここを右へ下りて行った所です。下りて行って大丈夫ですかね?」
Fさん「大丈夫ですよ。」
ハレ「私、(バイク)降りましょうか?」
Fさん「大丈夫ですよ。」
頼もしい。。。
一人で下ったときはかなり急な坂道だと思ったのだが、難なく下っていく。
4回目の九十九折を終えたところで、らくだくんが待っていた。
ハレ「ありました^^」
Fさん「そりゃそうでしょう。誰もこんな所、来ませんよ。」
ハレ「ごもっとも。。。。」
らくだくんはお行儀良く、倒れる事もなく待っていてくれた。
Fさん「エンジン掛かりますかね?」
ハレ「チョット待ってくださいね。キルスイッチ確認します。」
「。。(;・∀・)ハッ? スイッチ入ってました(;´∀`)」
スイッチを押し戻し、セルボタンを押す。。。
らくだくんは元気良く動き始めた。。。。よかった。。。ε-(´∀`*)ホッ
ハレ「すいません、動きました。」
Fさん「良かったですね。少し休憩しましょう。」
ハレ「はい、すいません。。。」
木陰に腰をかけ休憩をする。
私は荷物の中から水とチーズおかきを取り出し、Fさんに薦める。
ハレ「すいません、朝から何も食べていなかったので。。。どうぞ。」
しばらく、バイクの話やら林道の話をして、再出発。
散々疲れ果てた体だったが、助けてもらえる人がいると思うと力が沸いた。
エンジンが掛かっても登り切る自身がなかった坂道をぐんぐん登れる。
後からFさんがついてきてくれた。
踊り場まで来るとFさんを待って、また一気に登り詰める。。。
また、右の壁に激突しますた。。。。(;´∀`)Fさん「ゆっくりで大丈夫ですよ(;´∀`)」
ハレ「一気に行かないと、転ぶ気がして。。。」
後は早いものだ、右足裏の肉球が気にはなったが、痛くも無い。
選択ミスをした分岐を越え、がけ崩れを乗り越え、四駆の横を抜け、
廃車の横を走り、ゲートをすり抜け、
あっと言う間に護摩壇山スカイタワーの麓まで帰ってくる事が出来た。

らくだくんと共に生還!!
手前のバイクがFさんのセロー。大げさではなく命の恩人だ!!
まさか、らくだくんと共に護摩壇山スカイタワーまで戻ってこれるとは
思ってもいなかった。本当に良かった。
Fさん、本当にありがとう!!何とか連絡先だけ教えて頂いたが、「もう一本、林道走って帰りますから。」
と、Fさんは颯爽とスカイラインの彼方へ消えていった。
「同じバイク乗りですから、困ったときはお互い様です。」涙が出そうになった。

満身創痍。
体中ボロボロになったが、帰ってきた安堵感とやさしさに触れた幸せが
しみじみと体に行き渡った。
私はもう一度、今、戻ってきた林道の入口を見つめ、いつかのリベンジを誓い
らくだくんのエンジンをかけ、スカイラインを高野山へ向かって走り出した。

教訓 「林道は 装備整え 複数で」・・・・・
完********************************************************************
トラブルに対して何の予備知識も無いまま無謀にも林道に入りました。
良い子は真似をしてはいけません。
当然、何の余裕も無いので、転倒したり遭難したときのネタになるような
写真は取れませんでした。( TДT)ゴメンヨー